経営リーダーに必要不可欠な要素を凝縮した、次世代経営層・経営幹部育成研修「エグゼクティブ・ビジネスリーダーコース(EBL)」に参加する意義とは何か。全体コーディネータに聞く(後編)

エグゼクティブ・ビジネスリーダーコース 全体コーディネータ 松田 将寿氏
松田 将寿氏
エグゼクティブ・ビジネスリーダーコース 全体コーディネータ
(Transformation Consulting合同会社 CEO, Management Consultant)

インタビュー前編では、日本企業が直面する経営人材育成の課題や、次世代のリーダー(対象となる部長層)に求められる要件についてお話を伺いました。後編では、重要となる経営人材育成のポイントや、EBLの特徴・効果について、引き続き松田将寿氏にインタビューをしました。

前編を読む

異業種人材との本気・本音の議論や、師生を超えた多彩な交流が、経営リーダーへのステップを後押しする

―― 各社、自社内で「次世代経営幹部育成研修」を実施している企業が多く、EBLのような社外研修への派遣割合は相対的に少ないと言われますが、「異業種交流」「他流試合」の効果・必要性をどのようにお考えですか。

次世代の経営リーダーとして、今後は必須の要件になると考えております。今の時代、いずれの企業も「イノベーション」「企業連携」「エコシステム」「社会課題の解決」などを、経営戦略上のキーワードとして掲げています。要するに、『自社の中だけでは解決できない問題』を取り扱おうとしているわけです。

それだけに、異業種の方々、しかも同じ(もしくは近い)ポジション同士で、多様な考えを吸収したり、良いコミュニケーションを取ったり、深い人間関係を作っていくことが極めて重要です。社内だけでは、新たなネットワークの構築にどうしても限界がありますが、EBLでは累計で100時間近く他社の方々と一緒に過ごしてディスカッションすることを良い意味で強制されるため、幅と深さのある人脈形成ができることは、大きな魅力だと思います。

―― EBLのカリキュラムとして、「単位講義」「経営者講話」「ビジネスシミュレーション(アセスメント)」があります。まず「単位講義」について、コーディネータとしての狙いや考えを教えてください。

EBLの単位講義は、「経営戦略」「財務会計」「組織・人材マネジメントとリーダーシップ」の3本柱で構成されています。EBLは経営に関わるリーダーに必要なエッセンスがコンパクトに凝縮された効果的なプログラムになっています。まず、第1単位では「経営戦略」について取り扱います。会社として・経営リーダーとしてビジョンや目標を掲げたとしても、実行するにあたっては、どうしても「戦略」が不可欠です。だからこそ冒頭に「経営戦略」を学びます。さらに戦局眼を養うために、全単位を通じて「自身の成長戦略(My Growth Strategy Canvas)」を描いてもらいます。これは、自分自身、日々、戦略的に生きておらずして戦局眼は磨かれるはずもなく、そのような戦局眼無くしてどうして会社・事業の戦略が描けるのかという考えから導入しています。

次に、戦略を実現するためには、必要な「資源」である資金を用意しなければなりませんし、売上・利益に貢献するという結果に結び付けていく必要もあります。よって、経営意思決定においても重要な「財務・会計」の基礎と応用を、第2単位で学んでいただきます。

さらにその後は、『動員』、『人や組織をどのように活性化し動いてもらうのか』が重要になってきます。個々の能力を最大限に発揮してもらい戦略を推進していく術を、リーダー自らが考えていかなければなりません。それ故に、第3単位の「組織・人材マネジメント」そして「(経営視点での)リーダーシップ」も不可欠なのです。この三つはどれが不足していても目標を達成できないだけに、非常に重要な要素が集約された講義構成となっていると言えます。

インタビューに答える松田氏

―― 次に、「経営者講話」「ビジネスシミュレーション(アセスメント)」についても、お聞かせください。

一方で、戦略・財務・会計・組織人材マネジメントが構造上理解できたとしても、人をその気にさせて会社の目標に向かって進んでもらうためには、『経営者としてのリーダーシップ』を発揮する必要があります。経営者にも様々なスタイルがありますが、一つだけ言えるのは、「経営者としてのスタンスをぶらさず、大きな熱量を持ち続けること」が非常に重要だと思われます。そのためにも、先人の経営者の方々が、どのような困難や障害、悩みにぶつかり、それらをいかにして乗り越えてきたのかを学ぶことが大切です。生きた経営者の声を直接聞いて問うという、得難い経験で触発されるでしょう。これが、EBLでの「経営者講話」の意義です。

経営者講話でさまざまな経営者に触れることで、自分なりに「こういう経営者になりたい=目指す経営者像」が確立されてくると、今の自分とどれほどのギャップがあるのかが気になるはずです。そのギャップを埋めるために、現状の自分はどんな能力やポテンシャル、傾向を持っているのかを、客観的に把握する必要があります。それが、第4単位で実施する「ビジネスシミュレーション(アセスメント)」の意義です。これによって、自分自身を主観・客観の両面から理解し、自分自身が目指す経営者像に向けて何をどう努力したら良いのか、組織やメンバーを導いていくために自分自身をどうコントロールしていくべきかの道筋を、しっかりと立てることができると考えます。

受講生・講師が共に学び合い、切磋琢磨し合うことで、時代を牽引する「真の経営リーダー」を育成する

―― EBLに参加する受講生の特徴や、EBL前後でスキルやマインドはどのように変化したと感じますか。

EBL中の松田氏 EBLにて各グループ発表の総括を行う松田氏

受講生の特徴ですが、EBLの受講生に総じて言えるのは、非常にポテンシャルが高いということです。当然かもしれませんが、各企業での経験と実績豊富な方々が集まっているので、吸収力が高く他者としっかり対話できる素地をお持ちです。一方、過去のEBL受講生と向き合う中で感じたことは、自分の能力やスキルの状態に悩みを抱えている方、会社の将来ビジョンを描けず不安に思っている方、自社や自身の強み・弱みをうまく認識できていない方などを多く見受けます。だからこそ、事前・事後課題の内容、ディスカッションでの立ち位置、発表・質疑の中身、懇親会での対話を活性化させ、受講生の不安の解消、自身を見つめ直すためのサポートをするのが、全体コーディネータである私の役割だと思っています。

EBL前後でどう変わったのかについては受講生の各単位後アンケートが参考になるかと思われます。そこには、マインドが上がった、視座が変わってきたというコメントを多く目にするので、ご自身でも変化が感じられているのではないでしょうか。

―― 最後に、EBLにどのような方に参加して欲しいと思いますか。派遣を検討されている企業・事務局の皆様へのメッセージもあればお聞かせください。

「マネジャーとしては傑出しているが、もう一皮剥けてほしい」という方には、是非ご参加いただきたいと思います。また、少し厳しい言い方になりますが、「社内では自他共に優秀だと認められ、高いパフォーマンスも発揮しているものの、"井の中の蛙"や"裸の王様"になっていないか」と危惧される方にも、ご参加いただきたいと考えています。EBLは、世の中の同世代の人がどれだけ優秀であるかを知り、自分の立ち位置や謙虚さの必要性も理解できる良い機会です。そして次世代の経営者は、「ネットワーク」の中で仕事をしていくことが必然的に求められます。そのネットワークの基盤を、EBLを通して築き上げていくことは、会社にとっても、ご自身にとっても貴重な財産となるでしょう。

先程も述べたように、自社の次世代経営リーダーに、EBLのような社外研修を経験させることの重要性・必要性は、年々益々高まっていると思われます。社内を越えた受講者の学びは、異業種人材との交流を通じて「視点、視座、優先順位、判断軸」の相互の違いを認識し、自省へつなげることができるでしょう。EBLの対象となっている経営層・経営幹部候補の方々にとっては、自らの"気づき"によって成長してもらうことで、理解度と納得度合がより一層高くなるものと思われます。自社の経営人材育成に課題を感じる企業の方は、ぜひEBLへ派遣していただければと思います。「決して後悔することはない」とお約束します。

インタビュアー日本能率協会 エグゼクティブ・ビジネスリーダーコース事務局

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