派遣企業の声

派遣企業の声

東京地下鉄株式会社 常務取締役 古屋 俊秀 氏

東京地下鉄株式会社
常務取締役
古屋 俊秀 氏

貴社の経営幹部候補者育成についての課題や問題意識についてお聞かせください。

鉄道業は、同業他社との交流は多いですが、価値観や方向性がさほど違わないため、どうしても他事業を手掛ける際の発想が乏しくなります。多様な業種から参加のあるJMAの経営幹部育成研修で、議論を通じて、他社の方々がどう考え何を模索しているのか、様々な場面における判断や価値観を直接感じてほしいのです。深く相手を知るには、やはり何度か顔を合わせて共に学んでいく必要があり、こうした公開研修に参加することは非常に有意義だと思います。
また、鉄道の運営はできるが鉄道「業」、つまり会社の経営はできない部長層が多い印象です。オペレーションやメンテナンスの逹人ではあるが、会社の経営者として、意識の持ち方をはじめとして必要なものが足りておらず、他社の方々の中で切磋琢磨してほしいです。
私は海外事業も担当していますが、今後は海外事業が強くなっていくので、もっと多くの人達に海外を経験してほしいと望んでいます。海外では多様性が重要になるし宗教も大きなテーマになる。相手の価値観を決める背景を知った上で話をするのと全く知らないで話をするのとでは全く違います。
「リペラルアーツコース」を通して、日本のことを話せるようになる、ということも大切ですね。日本の文化、歴史をまず知っておかないと。他国の人は非常に歴史に興味を持つので知らないと話ができません。勉強しておいた方が良いです。

当コースを選ばれた理由および、ご参加者選定のポイントはどのようなところですか?

当社の社員は、「左脳系」で「動かない」というタイプが多いです。つまり、評論家ばかりで動かない、口では言うが実際にはやらない。若手層では課題を見つけて論理的に解決できることを重視していますが、管理職層には、部下に対して指示を論理的に出すだけでなく、会社や部門の方針について自分自身の想いを自分の言葉で語ってほしい。そのため、この右脳系といえる「リベラルアーツコース」に部長層を派遣しています。理屈ではなく感性を磨きなさい、というメッセージです。

リベラルアーツを学ばないと「自分の言葉」として熱く語るのは難しい。このコースに参加すると様々なことを感じるはずですが、その中で身についていくものだと思います。
このコースに参加すると、答えの無い問いをし続けなければならない。経営者になると、「どうすればいいのか」という問いをずっとしていくことになります。だから、問い続ける、感じる、もやもやした気持ちになる、自分自身の言葉を何とか見つける。このプロセスが非常に大切なのです。

当コース参加者へのご期待をお聞かせください。

参加した社員には、新しい発想ができるようになることを期待しています。ですので、リベラルアーツコースだけは、他の研修に既に参加した人も参加できるようにしています。
また、派遣目的は敢えて言わないで自分で考えさせるようにしています。このコースについてはそれが一番良いです。
参加直後は分からなくても、後からじわじわと理解できる、あれはこういうことだったんだと振り返ることができるのが非常に良い特長です。経営者に日々投げかけられる問いには本当に答えがありません。それに対応していく上で、自分の言葉で自分の想いを伝えて皆を引っ張っていけるような求心力が求められます。まさに「人間力」を身につけてほしい。そのため、弊社の課長昇進の要素の一つには「人間力」があります。早めに意識をして将来に向け準備をしてほしいからです。

これまでのご参加者について、コース参加後に見られた成長、変化などを教えてください。

修了後、異動して新規事業を手掛けることになった参加者がいましたが、多様性やいろいろな人の価値観を知ることが必要で非常に良いタイミングでした。また、こういう経験をさせてもらってありがとうございました、と言ってきた参加者もいて、現在の部下達に対して、日々やるべきことを熱く語りかけているようです。
新しいものを創り上げていく、他社と協働するなど、本コースの参加経験が活かされています。
成果としては、じわじわくるものだと思うので、時間をかけて見守っていきます。

当コースヘの期待やご要望をお聞かせください。

引き続き、開講時にコースの目的を参加者に伝えないでいただきたいです。何か伝えるとすれば、「今後は答えの無い問いを投げかけられ続けるので、その際に今回学んだことを思い出してください」ということでしょうか。
会社により、リーダーとしての拠り所は違うということが理解できると良いと思います。本コースの参加者は、何のために働いているのか、何のために生きているのか、何のために会社があるのか、そういう点を自身で問い続けていくことが求められます。

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