経営者として活躍するOB
「一姫二十五太郎」(日本経済新聞:2016年7月13日交遊抄より)

事業創造・イノベーションコース
(旧マーケティング戦略コース1997年度修了)
西井 孝明 氏味の素株式会社 代表取締役 取締役社長 最高経営責任者
山一証券が経営破綻して廃業した1997年。日本能率協会が開いた異業種交流の研修会で、現在、キリンビバレッジ社長の堀口英樹君と出会った。研修会には電機メーカーや不動産、電力会社など様々な業種から、マーケティング担当者が集まっていた。
9カ月間、勉強会や企業視察などを続けるなかで、2歳年下の堀口君の分析力、指摘の鋭さに舌を巻いた。同じ食品業界から参加していたのは私と堀口君だけで自然と競争心も湧いたが、嫌みな所がなく憎めない人柄に、すぐに打ち解けた。
研修会終了後もメンバーで年に3、4回のペースで同期会を開いている。女性1人、男性25人の集まりで、「一姫二十五太郎会」と名付けた。図らずも、この仲間とは山一証券の破綻から始まる「日本の失われた20年」という時代を共有した。いま、私は社内外のどこに行っても緊張感のある立場だが、このメンバーと会うときだけはリラックスできる。企業名や肩書を超えて話し合える気の置けない仲間だ。
堀口君とは互いに海外赴任しているときも連絡を取り合い、刺激し合ってきた。今でも頻繁にメールでやり取りをするが、やっぱり顔を合わせて話をするのが一番だ。またみんなで集まる日を楽しみにしている。