エグゼクティブ・マネジメントコース 修了者の声

修了者の声

ブラザー工業株式会社 代表取締役社長 佐々木 一郎 氏
(2003年度修了者)

ブラザー工業株式会社
代表取締役社長
佐々木 一郎 氏

2003年に「エグゼクティブ・マネジメントコース」に参加した佐々木氏。
その後、2018年にブラザー工業社長に就任。コースでの思い出や学んだことについてお話をお伺いしました。

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コース参加後、英国販売会社社長に就任

コースに参加されたのはだいぶ前ですが、当時はどのような業務を担当されていましたか?

コースに参加したのは、私が様々な部署を転々としていた時期でした。2000年から商品企画部で1年部門長を務めた後、CS推進部が新たに立ち上がることになり、そこを任されることになりました。そこでは1年半務め、その後、品質保証のQM推進部門長に就いた頃にコースに参加しました。修了後2004年の10月に英国へ赴任することになり、2005年1月から現地販売会社の社長を任されました。

ご参加時、会社からの期待は何かありましたか?

会社からは詳しい説明はありませんでしたが、研修費は高額だったこともあって、責任を感じながら参加したことを覚えています。私としては、他の会社の部門長クラスの方と交流できるのが非常に楽しみでした。もともと色々な人に会うのが好きで、他者・他社の考え方に触れることができるのを期待して参加しました。

ケーススタディで経営を学び、教養分野で多面的視座を得る

コースに実際に参加され、印象に残っていることは何ですか?

優秀な方が多く素晴らしい出会いがありました。ものすごく刺激を受けましたね。当社と全く違う業界の方もいて「ビジネスや仕事に対する時間軸が随分違うな」と感じたことを思い出します。

ケーススタディは印象的でした。他社で実際に起きた経営課題を学ぶことができたからです。「この課題に対して、自分はどう対応するだろうか?」「自分はこのような判断はできるだろうか?」と、自分に置き換えて考えました。非常に勉強になりましたし、面白かったところです。
当時私は部門の責任者でしたが、入社した時から経営的な課題には関心があったので、企業が経営課題に対してどのように対応してきたかを学ぶのは、経営的な視点を身につけるのに役立ちました。その後の私の仕事にも活きていると思います。

私は研修を受ける前から、経営は時代の変化や市場の変化に敏感に対応しなければならないと強く感じていました。このコースでケーススタディに取り組み、自分が経営側に立ったとき、どの様にしなければならないのかを現実として考えることができました。その時初めて経営者側の気持ちが少しわかった気がします。ケーススタディは過去の実例であることに価値があります。絵空事や教科書に書いてある理論ではありません。本当にためになりました。

合宿のこともよく覚えています。私の時は、海外合宿は上海で、国内合宿は長崎県のハウステンボスでした。当時、ハウステンボスは危機的な経営状況にあり「どうすればもっとお客さんが来るのか」を考えるという課題に取り組みました。現地に行き、皆で意見を出して立て直し案や集客案をチームで作り、ハウステンボスの方たちの前で発表するというプログラムでした。私たちなりに一生懸命考えて案を発表しました。
しかし、コースが終わってから数年後に、なんのことはなく、HIS社がイルミネーションなどの施策で集客を増やし、立て直しを成功させました。それを見て、改めて研修時の自分たちを思い出すと、そのような発想はなく、魅力作りの視点が欠けていたと気づかされたのを覚えています。

また、教養分野のプログラムも印象に残っています。「遺伝子」の講義がありました。ビジネスとは全く違う分野ですが、役立つ考え方が得られると実感しました。特に最先端の技術の話は示唆に富むことが多く、違う業界でも活用することができます。
結局、常に考えているかどうかが大事だと思うのです。なぜ考えるかというと、問題をなんとか解決したいからです。解決策を考えるとき、色々な材料があった方が様々な解決策を立てることができるので、全く違う分野の考え方もとても勉強になることが多いです。

「社長の仕事」とは?

佐々木さんが「社長ならではの仕事」と考えているものはどんなことでしょうか?

大きな方向性を決めて、社員がそれを自分事として捉え、やる気を出して取り組むことができる、その環境を作るのが社長の仕事なのではないかと思っています。
また、その役割を果たすために、短期的には恨まれるような判断も、会社の将来を考えてしなければいけないのも社長の仕事です。やむをえず厳しい決断をしなければいけないこともあるかもしれません。そうした時は、当然、従業員の中にショックが起きます。時間が経ってようやく「あの時の判断がよかったんだ」と思ってもらえるようにしなければなりません。社長はそういう役割だと思っています。

時流を読む訓練、そして多様な経験がリーダーを育てる

これからの時代の経営者に必要な能力は、どのようなことだとお考えですか?

常に学び、時流を読むことです。経営者自身が世の中の流れを勉強して、将来を予測しないといけません。そうでなければ会社は判断を誤ります。新しい技術を勉強しておかないと、それがどのようなものなのかを判断することができません。
また、人が嫌がる決断も下すことができなければいけません。社長の仕事は従業員全員の幸福を最大化することだと思っていますが、時には厳しい決断もし、実行していくということだと思います。

経営者育成で心がけていることはありますか? また経営者を目指す人へのメッセージをお聞かせください。

多様な経験をさせることが大事です。いろんな部門を経験することで、初めて各部門の気持ちがわかるようになります。その経験を積まないと、会社を経営することは難しいと思います。どのように視野を広げてあげるかが大事です。
その延長線上でこのコースのような研修を経験して、他社や他者を知る、そうすれば、さらに勉強になります。「こういう業種の人はこんな考え方をするんだな」「こういうところに注目して仕事をしているんだな」と気づくことができます。そういう経験が、自己成長のために非常にプラスになると思います。

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